生まれ育った空間 『rとの生活』
場所は福島県郡山市で、20年程前に前の家を売り払い、違う場所に新築した家です。
おばあちゃんとおじいちゃん、母の妹家族4人の2世帯住宅で、現在は祖父母ともに他界したため母の妹夫婦が住
んでいます。
家の中は個室が5つにダイニングキッチン、リビング、縁側、洗濯機などが置ける納戸のようなものがあり、お風
呂が1つ、トイレが上下階に1つづつと言う間取りです。
当時はrを使った家などとても珍しく、僕も小さいながら凄いと思いました。後はあまり覚えていないんですが、
「楽しい」って事は強烈に覚えています。
玄関を入るとすぐに円形の壁が目に入ってきます。そして廊下が壁にそって伸びてます。
rの壁は目隠しにもなるし、見た目にも面白いです。
壁ぞいに廊下を進むとリビングへつきます。玄関を入ってから左右どちらに行っても、同じ距離にリビングへのド
アがあるんですが、ちょっと悩んじゃうんですよ、それがまた面白いです。しかも年月がたつと行く方向が固定し
だすんですが、それが人それぞれで「どっちからくるか?」と、「今家には誰がいるか?」を照らし合わせると、
見なくても誰が入ってきたか分かります。ちなみに俺は玄関入って左に行きます。
リビングに入ると当たり前ですが半円形の壁があります。そしてそれにそって円形の掘りごたつがあります。
無邪気だったあの頃はひたすら廊下とリビングの動線である円上を走り回ってました。
左側には仏壇などが置いてある和室、右側には対面式のダイニングキッチン、正面には大きなガラス戸があり、広
い庭が見えます。
昔はそこはゲートボール場仕様になっていてよく遊んでました。今はゴールデンレトリバーが2匹います。
2階もあるんですが、主におばさん家族の生活スペースで育ったのは1階の空間なので今回はここまでにします。
“集まれる環境”
うちの家系は、祖父母の教育のおかげもあり、母方の方のいとこ同士がとても仲良く、休みになると集まっていました。今ではみんな社会人ですが、時間をつくっては集まっています。友達の話とかを聞いているといとことは仲が良くなかったり疎遠だったりと言う事をよく聞きますが、うちでは考えられません。 それは育った環境だったり、家庭環境だったり色々だとは思いますが、今回は家の構造、『集まれる場所』という視点から考えてみました。
”集まれる場所”
リビングの中心に円形の掘りごたつがあると言うのは「集まる」と言う点で最高の配置だと思います。若干スペースは取るかもしれませんがそれだけの価値はあると実感しています。 昔、人々がいろりを囲んで生活していたように「円形」と「火」というのは人々が自然と集まってくる形なんだと分かりました。人間の本能として囲んでしまうのだと思います。最高のソシオペタルの形です。
”集まる今と昔”
昔はリビングにはテレビがあり、それを見るのにみんな集まってきて、まさに生活の中心でした。 しかし、近頃は少子化が進み、一人一人に子供部屋がもうけられ、テレビ、クーラー、パソコンなど求めれば買い与えられ、部屋から出なくても快適な生活が出来るようになってしまい、家族だんらんの時間がほとんど無くなっています。 その結果、少年犯罪やひきこもりなどの現代の子供の問題が増えていると言っても過言ではないと思います。 今回改めてこの家を振り返ってみると、家の設計から解決していく事と言うのは可能だと思いました。 集まれる場所をもうければ家族が集まってくる、そうすれば自然と会話が生まれいい家族関係が形成されていくでしょう。 これからは機能性、デザイン性だけではなく、家庭環境や生活の仕方なども出しゃばらない程度にふまえたデザインを考え、提案していかなくてはダメだと思いました。この祖父母の家のデザインが今の自分の目標です。
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